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アルメニア在住経験者によるエッセイ、生活情報、写真。アルメニア語講座。

(14) Руки вверх

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「ルーキー・ヴィレッフって何だい?」と思われた方が大半だと思います。
ルーキー・ヴィレッフとはロシアのポップスグループで自分がロシアン・ポップスを聞くキッカケになったディスコミュージックの二人組みです。

初めて聞いた時、思いっきりキーボードがテクノしてる不思議な心地良いサウンドにアッという間に虜になってしまいました。(日本では全くディスコミュージックなんて聞かなかった)

アルメニアで2番目に住んでいたアパートの隣の家から聞こえてきたのですが、とにかくフルバージョンで聞きたくなって急いでCD屋さんに行って「こんな歌詞でこんなメロディーのCDが欲しいです!」と言って散々店員さんを困らせました。親切にしてくれた店員さんのお陰で手に入れたそのCDが「Руки вверх」だったのです。

その、どうしても聞きたかった目当ての曲が「Восемнадцать мне уже」。
アルメニアの夏の暑い日に薄汚れたアパートでビールを飲みながら毎日コレばっかり聞いていました。
まぁ、飽きもせずに毎日同じアルバムを繰り返し繰り返し、、、よく聞いていたもんだ。
テレビでもこのビデオクリップがよく流れていたなぁ。まさか太ってる方がヴォーカルだとは思わなかったが、、、

関係ないですが、アルメニアの夏はそれこそ最高気温45度(!)まで上がるのでそりゃあ大変!(高地のせいか空気が乾燥してるので、日陰に入ってしまえば涼しいのですが、、、)
が、夏の方が冬より遥かにマシです!アルメニアの冬はツライよ、、、

しかし、、、ロシア語って音楽のような言葉ですね。普通に喋っていても流れるように美しい。ロシアのポップスを聞いていて飽きないのもやはりあの独特の美しいアクセントの「ロシア語」だからこそでしょう。特に巻き舌の「Р」の音は、、、

さて、一方のアルメニア語はというと、、、ハンガリー語とは逆に必ず単語の一番最後の母音にアクセントがあります。(ハンガリー語は一番最初の母音)
なので、人の話を聞いていると「ウンペペ、ウンペペ」とお経のような独特のリズムがあって、コレはコレで聞いていて楽しいのですが、、、?

アルメニアの有名どころのポップスって物凄く中東の雰囲気があります。(勿論、普通のポップスもある)多分、何も知らずに先入観無しで聞いたら「中東の音楽かな?」と思うかもしれません。
でも、タタ・シモニャンの「Ov e na」という曲だけ哀愁があって非常に好きなのですが、、、

いっつも、あの薄暗い「シェレメチヴォ空港」に到着すると気が滅入ってくるのですが、ロシア語を聞くと何故か嬉しくなってしまします。それはもぅ、白タクの話し声から店員のお姉ちゃんとのやりとり、ロシア人同士の喧嘩に至るまで思わず「スーッ」っと、聞き入ってしまうほど「ロシア語って美しい、、、」と思わずにはいられないのです。

(何故か日本では「フランス語が最も美しい言葉」という事になっているらしいのですが、イタリア語に比べると子音が少し耳障りで、喋っているのを聞いているとなんとなく「字余り」っぽく聞こえて個人的には「皆が言うほど美しい」とは思えないのですが、、、?)

自分も「ネイティブ並みに」とはいかないまでも、スラスラと喋れるようになりたいなぁ、、、なんて思っています。その為には、1にも2にも勉強!勉強!

ルーキー・ヴィレッフがきっかけで、その後イロイロとロシアンポップスを聞くようになりました。ヴァレリー・ミラッゼはスゴク伸びやかなキレイな声をしていますね。彼の歌も好きです。名前からしてミラッゼは「グルジア人」だと分かるのですが、ジアンナ・グルーツカヤも実はグルジア人だと知った時は、思いっきりビックラこいてしまいました。あの切なくなるようなグルーツカヤの声は多分、日本人なら皆好きになってしまうのではないでしょうか?

グルジア人歌手の声というのは、どこか日本人の琴線に響くような特徴的な声をしていますね。

他にも、イリーナ・アレグロヴァ(お父さんがアルメニア人らしい)、
アラ・プガチョーヴァ(若い頃の写真を見たらスンゴイ美人だった。が、今は、、、)、
クリスティーナ・アルバカエテ(プガチョーヴァの娘。2人目の旦那はチェチェン人らしい)、
ソフィア・ロタール(モルドヴァ人。年を知ってビックリした!スッゴくキレイな女性)、
イヴァノシキ・インターナショナル(カラオケで一番歌うのが難しそう、、、)、
ヂスコチェーカ・アヴァリエ(何とも言えない「下品さ」が好き)、
イーゴリ・ニカラエフ(あの「未練がましさ」にグッとくるような哀愁がある)、
ヴァレリー・リオンチェフ(コミ人。ゲイらしい、、、髪切ったらますます変になった。)、
アルスー(中東圏の友人曰く「絶世の美女」らしい。彼女はタタール人。)、

と、好きなアーティストも増えていきました。他にも、「この曲だけ好き!」というのはありますが。
ロシアの音楽を聞く事によって、ロシア語の独特なアクセントに耳が慣れたし勉強にもなりました。「好きになった歌手の曲は歌詞を見ないで歌えるようになりたいッ!」という欲求が語学の上達に結び付いたような気がします。

ソヴィエト時代は歌手になるという事は大変な事だったらしいです。が、今では日本と同じような状況。才能があれば成れるらしいです。だから、今のロシアンポップスはそれこそヒップ・ホップから演歌みたいなのまでイロイロ。

友達の中には「ルーキー・ヴィレッフなんて十代のガキンチョがディスコで聞くような音楽よッ!」と、言う人もいますが、、、「ロシア語の美しい魅力」を最初に見出す事が出来たのは紛れも無く「ルーキー・ヴィレッフ」だったワケです。時々、ラジオやテレビからこの曲「Восемнадцать мне уже」が流れてくると、何やら不思議な懐かしさが込み上げてきますね。思わず、口ずさんでしまったりして、、、

ロシア語に関しては「将来に役立つか?」とかの損得勘定は抜きで一生勉強していきたいなぁ、と思っています。今の日本にとって決して実用的な言語ではないですからね。
勿論ネイティブの人達みたいに喋るのは無理だろうし、極めようなんて大それた事は考えてませんが、やっぱり、ロシア語ってとっても「お得」ですよね。CIS圏の共通語だし。

あの複雑な格変化、アクセントのややこしさ、読んでも書いても難しい外国人泣かせの「ロシア語」。

ロシア文学も好きなのですが、ロシア語ってやはり「ロシア語の響きの美しさ」に魅せられて僕みたいに勉強している人が多いのではないでしょうか?

今は社会が混乱しまくっているロシアですが、、、その内にかつての「文化大国」としての威厳を再び取り戻す事でしょう。

そんな「美しいロシア語」にひき合わせてくれたのが「Руки вверх」だったのです。


18 мне уже

Забирай меня скорей,
Увози за сто морей
И целуй меня везде
Восемнадцать мне уже.

Забирай меня скорей,
Увози за сто морей
И целуй меня везде
Я ведь взрослая уже.

Ты сегодня взрослее стала
И учебу ты прогуляла.
Собрала всех своих подружек,
Ну а как же я?
Ведь день рожденья у тебя.
Знаю ты меня не забудешь,
Я приду - меня зацелуешь,
Но поцелуев твоих мне мало,
Я хочу, чтоб ты сказала.

Ты уже танцевать устала,
Эта песня сто раз играла.
Веселятся твои подружки,
Раскрутили все -
Пели песни "Руки вверх".
Все ушли, мы одни остались
И друг другу во всем признались.
Ведь ты сегодня взрослее стала,
Наконец-то мне сказала:

Знаю ты меня не забудешь,
Я приду - меня зацелуешь,
Но поцелуев твоих мне мало,
Я хочу, чтоб ты мне прошептала:


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