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アルメニア在住経験者によるエッセイ、生活情報、写真。アルメニア語講座。

(4) 何故かアルメニアで暮らす

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そして、ついに2001年からアルメニアに住み始めてしまいました。
住みよくて、便利で、馴染みのある東京を離れるのはどうかと考えたりもしたのですが、別に一生住むワケじゃあないし、まぁ、住めばなんとかなるだろう!と非常に軽い気持ちで本当にアルメニアに来てしまいました。

中央広場。地下は核シェルターになってるらしい同じく中央広場から。この裏にエレブニホテルがある
中央広場。地下は核シェルターになってるらしい。
右は同じく中央広場から。この裏にエレブニホテルがある。

初めてアルメニアに訪れた2000年とは別に、個人的な用事があってアルメニアに1ヶ月程滞在していました。
その時はホテルじゃなくて、アボビアン通りをチョット入ったボロボロのアパートを借りて住んでいたのですが、何もかもが東京と違う事に妙に感心してしまい、逆に「何やら楽しそうだ!」と思ってしまったのが運の尽き、、、

遠くから見ると非常にキレイなのですが雑然としているような、、、
遠くから見ると非常にキレイなのですが、、、雑然としているような、、、

整然としているような、、、
整然としているような、、、

暖かい季節(春先)だと特に生活の不便は感じないのですが、真夏は昼間最高で45度まで気温が上がるし、逆に真冬はマイナス10度くらいまで下がるし、、、
この国はやっと夏が終わったと思ったらいきなり冬が来てしまうのです。(日本的な感覚でいう「春」や「秋」がこの国にはないような、、、?) 「マイナス10度だったら、北海道でもそれ位の寒さの地域はあるゾ!」と思われるかもしれませんが、なにしろ建物がボロボロで隙間風は入りたい放題に入り込んできて寒風が部屋の中で吹き荒ぶもんだから、ストーブをガンガンに点けていても部屋が暖まらず、室温計を見たらマイナス5度だったり、、、
まぁ、アパートの天井が高いというのも多少影響しているかもしれませんケド。

んでもって、「これだとイカン!」と思い更にストーブを増設するとブレーカーが火を噴いた挙句、爆発したり、、、

ロシアやウクライナでは真冬でも部屋の中はセントラルヒーティングがガンガンにかかっているので、確かに外はアルメニアよりも思いっきり寒いのですが、部屋の中はTシャツ1枚で居られるほどです。

コレがセントラルヒーティング
コレがセントラルヒーティング

アルメニアの各家庭にも実はこのセントラルヒーティングのシステムがあるにはあるのですが、今では政府がそれを止めてしまっているので、国民はこの鬼のような寒さの中をひたすら耐えて、耐えて、耐えまくっているワケです。アルメニアの冬は寒いよ!マジで。
部屋の中で息を吐くと白い!何て事、日本で想像出来ますか?
どうして、暴動が起きないのか不思議な程に国民は抑圧されています。

まぁ、実質的に周り360度を敵に囲まれた内陸国だし、ガスも石油もアゼルバイジャン経由だったから、この状況は仕方が無いと国民は理解しているのかもしれませんケド、、、

そうそう、基本的にこの国は慢性的に水が不足しています。
地域とアパートにもよるらしいのですが一応、24時間水が使える所もあるらしいです。それでも、「ジャー」と出てくるワケではないのですが、、、
僕以外の在アルメニアの日本人は一応、24時間水が使えるアパートを借りて住んでいるらしいです。が、僕のアパートは早朝2時間、夕方1時間しか水が使えないです。大体のアルメニアの家がそんな感じです。
何故か冬になったら僕の今居るアパート、夕方に水が出てこなくなりました。

今年(2002年)の1月に2週間くらい水が出てこない時があって、その時は流石にウンザリしましたよー。
たまたまラッキーな事にアパートの目の前に水飲み場があって夕方になると、いそいそと水を汲みにいったりしてなんとか水道管の修理が終わるまで凌いでいたのですが、流石に頭が洗えなかったのは辛くて近所の美容院に駆け込んで「頭を洗わして下さい!」とお願いしに行った事もありましたねー。

普通、アルメニアの家では飲み終わったペットボトル等に水を入れて、台所に置いておきます。その水で洗い物をしたり、コーヒーをいれたりするワケです。
トイレで用を足した後、ソレを流す為の水をバケツ等に溜めておいたりもします。
そうしないと、、、キレイ好きな人は非常に困るからです。

こうして水をストックしておくワケです。
こうして水をストックしておくワケです。

そう、設備が整った西側先進国と違ってCISや東欧に住むのにはそれなりの「覚悟」と「根性」が必要です。でも、そんなに身構える必要は無いです。
どんな国でも嫌な事が半分あれば、楽しい事も半分あるワケです。

そんなアルメニアに住んでいて本当に有難いと感じた事は、ビックリするほど治安が良いという事ですね。コレで治安まで悪かったらとっくにギブアップしていたと思うのですが、、、

トルコとは歴史的解釈を巡って今でも国境を閉ざしていたり、アゼルバイジャンとはナゴルノ・カラバフの領土を巡って今でも「戦時下」にあるアルメニアの治安状態が非常に良い!と言うのはにわかに信じられない話かもしれませんが、実際に日本に居るのとさして変わらないというのが正直な印象です。
(現在、アゼルバイジャンとは「休戦中」らしのですが、カラバフに住んでいる人に聞いたら今でもちょくちょく銃撃戦があると言っていた。)

夜中歩いていても「オヤーァッ?」て感じで見られたり、酔っ払いに何か言われるくらいで危険な目に遭った事は一度もありませんね。ロシアみたいに警察官に止められて「パスポートを見せろ!」と言われた事も丸っきり無いです。

内陸国であるが為に非常に困難な事も幾つかあるのですが、まぁ、アルメニア人はそれでもソヴィエト人らしくしぶとく暮らしています。
そして、この国では「ガイジン」の僕もしぶといアルメニア人に負けないように生活しています。

ところで、今僕が賃貸で住んでるアパートの持ち主がとにかく「曲者」で本当に辟易しています。見方によってはかなり面白いオッサンで、言ってる事が支離滅裂で非常に愉快なのですが、、、彼に会った事があるアルメニア人の友達でさえ「チョットあの人、変だよ」と言ってたので、多分変なのでしょう!
「アルメニア人にもいろんなのがいるよなぁ」と感じる今日この頃。

「変な人が多い!」という点ではロシアに負けていないかもしれない、、、
まぁ、楽しい国ですね!


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