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アルメニア在住経験者によるエッセイ、生活情報、写真。アルメニア語講座。

(6) アルメニアの女性

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初めてアルメニアに訪れた時は「やや!キレイな人が多いゾ!」
とマジで思いました。
しかも、40度を越す暑い季節。
女性の服装も思いっきり「大胆」で、「コレでもかッ!」と言わんばかりの凄まじい露出!立体的でふくよかな肢体を最大限に見せつけるような服装に思わず頭がヤラれてしまったのかもしれないです。

が、今では何とも思わなくなってしまいました。見慣れてしまったせいでしょうか?
それでも時々、「ウワー!キレイー!」と思わず振り返りたくなるような美人に思いがけず出くわす事もあります。

そして、この国の文化を知れば知るほどこの国に根付いているハズの伝統的な価値観とはおよそかけ離れた服装をしている事が分かります。

さて、アルメニアの女性とはどんな人達でしょうか?

一般的にアルメニアの女性は辛抱強く、そして環境に打ちひしがれた心優しい女性が多いです。多いと言うだけで、皆が皆そうではないという事です。

そして、ソヴィエトが崩壊して様々な情報が入って来たからでしょうか?
思いのほか、外国人と結婚するアルメニア女性が多いです。
とは言っても、多くの場合ヨーロッパや北米で生まれたアルメニア人の男性と結婚する場合が多いようですが、、、

勿論、在外の彼らだって祖国を愛しく思う気持ちは誰にも負けません。今となっては小さくなってしまった祖国と、今ではトルコ領になってしまった民族のシンボル「アララト山」を見る度に悲劇的な歴史の犠牲になった先祖に対して自分達の不甲斐無さを責める、心優しき在外アルメニア人。

民族の血を絶やさぬように、歴史を自分達に刻み込ます為にも一生懸命にアルメニアに来て彼らは「嫁候補」を探すらしいです。
そして、ココからが大きなポイントです。全てのアルメニアの男性にとって結婚相手の絶対的な条件の一つに「処女でなければならない!」というのがあるらしいです。イヤ、コレはあります。
誰に聞いても同じ事を言うし、男性は「ソレが当然だッ!」と言い切ります。

非常に痛いですねー。

そう、この国は恐ろしいほどに「処女信仰」が強い国なのです。もしかしたら、結婚していなくてもSE○している女性は居るかもしれませんが(註:娼婦は除く)、正直言って聞いた事が有りません。

男性もさぞかし、辛い事でしょう。
4年も付き合っているのに、そのような関係になった事が無い!
と嘆いている男性もいました。
「サッサと結婚すれば良い!」と思うのですが、なにぶん、明日も見えない凄まじい経済不況のアルメニア。日本人同様に、なかなか結婚したくても結婚に踏み切れない女性が多いらしいです。
例えヨーロッパに行こうが、北米に行こうが日本に行こうが21世紀の初頭はどこもかしこも不景気です。

しかし、アルメニアの女性の中には「この国に居たくない!」という人も少なくないようです。

経済的な事以上にアルメニア女性を結婚に対して二の足を踏ませているのがどうやら「お姑」のようです。聞いている話だとアルメニアの「お姑」さんはかなり凄まじいです。
それこそ、日本の「お姑」さんなんて可愛らしく思えてくるほど息子の嫁に対する仕打ちは厳しいどころか、それを通り越して「イビリ」モードに入っているらしいです。

結婚したらアルメニア人男性は「アレをしてはいけない!コレをしてはいけない!」と口やかましくなります。尚且つ、それに追い討ちをかけるように例のお姑さんが息子を援護射撃します。

知り合いの一人は「女友達にさえ会ってはならない」とまで言われてブチ切れたらしいです。僕はCISの外から来た「ガイジン」なので特別に認められているらしいのですが、それでもあまり良くは思われていないらしいです。

とにかく、結婚すると全ての行動を規制されてしまう女性が多いらしいです。いや、殆どがそうらしいですケド、、、

そうそう、こんな話も聞きました。
新婚初夜を迎えたカップルが初めての「契り」を交わした翌日、アルメニアでは血の染み付いたシーツを「お姑さん」が近所に「嫁は結婚するまで処女だった」と見せて回っていたらしいです。

もし、「処女の証し」が無かった場合は下手するとその場で「お姑」に強制的に離婚させられたりもしたらしいです。

コレって「姑」による屈辱的な「セクハラ」ではないでしょうか?

果たして、フェミニストがこの話を聞いたらどのように思うでしょうか?
田島陽子が聞いたら血管がブチ切れてしまうのではないでしょうか?

流石に首都イェレバンでは少なくなりつつあるようですが、地方に行くと今でもこの悪魔のような「風習」が残っているらしいです。(未確認)

正直に言って、この話を聞いた時はアルメニアの女性が心底可哀想になりました。
が、コレはコレでこの国の文化であって、イチイチ「ガイジン」が「ソレは変ではないか?」というのもお門違いです。

あるがままに受け入れなくてはなりません。

結局、何処の国も一緒です。
キレイな人も居るし、キレイじゃない人も居る。
神経質な人も居るし、そうじゃない人も居る。
頭の良い女性も居れば、そうじゃない女性も居る。
頑固な女性も居るし、そうじゃない女性も居る。
「早くこんな国から出て行きたい!未練は無い!」と言う女性も居れば、
「この国から出て行って外国で暮らすだなんて恐ろしい!」という女性も居る。

アルメニア人だからといって、特別な事は何一つありません。
彼らも僕みたいな日本人同様、「悩める個人」なのであります。


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