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アルメニア在住経験者によるエッセイ、生活情報、写真。アルメニア語講座。

(64) 幻の村へ②

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ディリジャンの手前の村には人が沢山居ました。セヴァン湖に近いからか「魚は要らんかねぇー?」と車を見つけるや声を掛けてきます。

チェスをやっている集団に声を掛けて聞いてみた所、
「昔は、ディリジャン付近に沢山いたがねぇ、、、今は、分からない。でも、今でも少しは住んでいると思う。」
と、何とも心許ない答え。

もうちょっと北の方か?と聞くと「とりあえず行ってみると良いと思う」との事。
行くしかないので、ひたすらイジェヴァン方面に向かう事にする。

しかし、この辺りに建っている家がまたスッゴイ!失礼な話ボロボロッ!
で、ただ単にボロボロなだけではなくて斜めに傾いていたり、壁が崩れ落ちていたりと凄まじい按配です。アルメニア人は基本的に家のメインテナンスなんてしませんからね。

ピカソ的な芸術点を狙ってワザと家を斜めに建てた、窓を歪めて取り付けたというのであれば納得は出来ないのですが、まぁ認めない事もないです。

因みに僕のアパートの窓も何故か歪んでいます。日本人として非常に気になります。
ですが、その歪んだ窓のせいで冬は隙間風が入りたい放題に入って来るので、やはり「手抜き」である!というのが僕の結論です。

窓があるべき所に、ビニールシートが被せてあったりするのは幾ら考えても理由が思い浮かびません。
寒いからか?隙間風が入ってくるからか?

ならば最初からしっかりと隙間風が入ってこないようにキチンと作れば良いのに、、、
それとも、ワザと歪めるのが伝統なのでしょうか?それともキリストの教えでしょうか?


僕には廃墟にしか見えないのですが・・・(失礼)。窓にビニールシートを被せているのは何故かな?


この微妙なバランスで崩れない所が、アルメニア人の才能なのでしょうか?


更に北へと向かった所で、またまた村を見付けました。
この辺は丸っきり泥道で、車がズルッと滑る度にヒヤヒヤしたものですが、ここで通りすがりの人から重要な情報をキャッチ!

「今はこの村にマラカーニは一人も居ない。ケド、昔は住んでいたよ。
ホラ、あそこに見える白い家があるでしょう?アソコに住んでいたよ。
(動物園の檻に取り付けるような巨大な南京錠でロックされていた。)
何処に行ったかって?知らない。マラカーニが住んでいる町?
さぁ、、、でもディリジャンには間違い無く住んでいるよ。
イェレヴァンにも居るし、、、え?君はイェレヴァンに住んでるの?
何でイェレヴァンで聞かなかったのさ?ところで君は何人だ?
え?日本人!あらまー、日本人が何でまたマラカーニの事を知りたいのかね?
もしかしてジャーナリストか?違う。フーン、変わった人だねぇ、、、」

娯楽が無い田舎町のせいか、とにかく「珍しいものを見付けたッ!」といわんばかりの質問攻撃ッ!とにかく、話す事、話す事。
しかし、とにかくディリジャンには沢山住んでいるらしい事は分かったので、そのままディリジャンに直行する。


こういう寂れた雰囲気はとても好きです。ココにマラカーニの家族が住んでいたらしい、、、残念。


ちゃんと人が住んでいるんですよッ!


この村を抜けてディリジャンに向かう途中、箱根の「ターンパイク」を思い出させるようなウネウネとした道になってしまいました。
あぁ、思い出した。この道はいつか来た道。初めてアルメニアに来た時もココを通ったんだった。という事は、さっき通り過ぎた町も全部見たんだ。

山がちな国だから、このウネウネとした道は仕方が無いのですが、箱根と違ってこの辺の道路はまるで「罠」でも仕掛けてあるかのように穴ボコがボコボコと容赦無く開いてます。
曲がりきった所に、穴がボコン。そしてまたボコン。
対向車線(実際はそんな線なんて見えない)から車が来ると更にヒヤヒヤします。

「この先にトイレがあるから、少し休憩して行こう。」と言われてトイレに行く事に。
流石に耳が痛くなってきた。ウーン、この国はやはり標高が高い国なのだと実感。
そして、早速トイレに行くと、、、

旧ソヴィエト圏のトイレは何処もかしこも凄まじいのは良ーく知っています。
どう凄まじいかは書きませんが、凄まじいクセに有料だったりします。
「そんな公衆トイレを使うくらいなら、外でした方がマシ!」と思っているのか、ウクライナでもロシアでも所謂「立ちション」をしている光景はしょっちゅう見掛けました。

実際、オデッサのバス停の有料トイレは余りの大迫力に怖じ気づいてしまって、尿意が忘却の彼方にスッ飛んでしまったホドでした。
あぁ、思い出すのもシンドイ、、、

が、今回それを更に2段階も3段階も上回る凄まじいトイレに遭遇してしまいました。
まず、トイレがある場所まで、、、というかトイレがある所まで何故か「異質な物体」がそこかしこに落ちています。コレで殆ど戦意喪失。

気力を振り絞って、なんとかトイレまで辿り着くと、、、
もはやソコには「地獄の一場面」とでもいうべきおぞましい光景が目に入ってきました。

「コレで万が一、滑ったり転んだりしたら、、、」と思うと死ぬ事以上に恐ろしいです。
トイレで用は足したいのですが、とても足す勇気も無い、、、
というか一生涯目に焼き付いて、時々「フッ」とした瞬間に思い出しそうでとってもイヤだ!

JRのトイレは「臭くてイヤだなぁ、、、」と東京に住んでいる時はいつも思ったのですが、比較の対象にもならないです。というか、コレは論外だし、反則じゃないか?

恥ずかしながら、正直に言うとその場では用を足しませんでした。
っていうか、見るんじゃなかった、、、尿意もショックのあまり消えてしまいました。

アレを見て、シャシリクを食べれる人は本当に大したものだと思う。あらゆる意味で、、、
僕は今でも食欲が無いです。


シャシリク屋らしいです。が、閉まっていました。水が勿体無い、、、と思うのは僕だけか?


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